終活はいつから始めるのがベスト?タイミングや基本的なやり方について解説

「終活」という言葉が社会に定着しつつある今、さまざまなきっかけで自分の最期について考え始めるようになった人も多いのではないでしょうか。例えば、特定の年齢に達したり、自分あるいは家族の健康状態が悪化したり、結婚や定年など人生の節目を迎えたり、ふとした瞬間に終活の必要性を感じることもあるでしょう。

ただ、終活はやるべきことが多岐にわたるため、具体的に何をすればよいのか、何歳から始めるべきなのかなど、実際に取り組むにあたって不安や疑問が生じることも少なくありません。

そこで今回は、終活について徹底解説。終活という言葉の意味や始めるタイミング、手順、注意点など、あらかじめ知っておきたい終活の基本を詳しく紹介していきます。

家族葬とは?

終活とは「人生の終わりのための活動」を略した言葉です。身辺整理を行ったり、遺言書を用意したり、葬儀やお墓の準備をしたり、自分の死と向き合い、人生の最期に向けていろいろな準備を行うことを指します。

その目的は大きく分けて2つあります。

1つ目は、遺される家族の負担を減らすため。そして2つ目は、残りの人生を前向きに自分らしく生きるためです。終活を考え始めている人の中には、前者に重きを置いている人も多いかもしれませんが、終活は周囲の人のためだけに行うものではありません。老後の不安を払拭してセカンドライフをより生き生きと、より自分らしく生きるという大切な目的も含まれています。

なかには、「終活」という言葉自体にネガティブな印象を抱いている人もいるかもしれませんが、終活は決して後ろ向きのものではありません。むしろポジティブな要素の強いものなので、前向きな気持ちで取り組んでみてください。

いつから始めるべき?終活を考え始める年齢とタイミング

一般的に、終活は60~70代で始めたいと考えている人が多い傾向にあります。

インターネットリサーチ会社の楽天インサイト株式会社が2019年4月に全国の男女1,000人を対象に行った「終活に関する調査」を見ると「終活をする意向がある」と回答した人のうち「就活を始めたい年齢」として「60代」を選択した人が約4割(41.7%)を占めており、次いで「70代」(23.6%)と回答した人が多くなっています。

(参照:楽天インサイト株式会社『「終活」をする意向が最も高いのは30代。実際に始めたい年齢は「60代」がトップ』終活に関する調査

とはいえ、終活を始める年齢に決まりはありません。2022年1月に同社が実施した調査によると、20代や30代ですでに終活を実施している人もおり、それぞれが必要性を感じたタイミングで終活を始めていることが見て取れます。

(参照:楽天インサイト株式会社『「終活」で「パソコンやスマートフォンなどのデータ整理」の意向は約4割。自身の死後、メッセージアプリやSNSの投稿を「すべて削除したい」は約7割。』終活に関する調査

たしかに、60~70代といえば、定年を迎えて残りの人生の過ごし方を考え始める人が増えるタイミングです。これまでとは生活スタイルがガラッと変わり、時間にも余裕が生まれるため、終活を始めやすい年齢の目安の1つとして捉えることができます。

ただ、終活は年齢を重ねて身体の自由が利かなくなったり、意思表示ができなくなったりしてしまうと始めるのが難しくなってしまうため、早いに越したことはありません。むしろ、早いことによるメリットも多いので、年齢にとらわれることなく、思い立ったタイミングで始めてみてください。

早い段階で終活を始める5つのメリット

では、早い段階で終活を始めることにより、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。

主なメリットとして、次の5つが挙げられます。

  • 1.老後の不安を払拭できる
  • 2.気力・体力が衰える前に取り組むことができる
  • 3.将来設計を見直すきっかけになる
  • 4.セカンドライフを充実させることができる
  • 5.万が一のときの備えになる

1つずつ見ていきましょう。

1.老後の不安を払拭できる

老後の見通しが立たないうちは、家計に関することや住まいに関すること、介護に関することなど、漠然とした不安が常に付きまといます。

しかし、早いうちから終活を始めておけば、余裕をもって将来のことを考えられるようになります。老後の不安を1つ1つ解消していくことができるので、安心して年を重ねられるようになるでしょう。

2.気力・体力が衰える前に取り組むことができる

終活は、医療や介護の方針を決めたり、身辺や財産の整理をしたり、各種契約の手続きを行ったり、気力・体力・判断力を要する作業がたくさんあります。

高齢になるとどうしても気力や体力が衰えてきてしまうため、身体が元気なうちに対処できるのは、それだけでも大きなメリットといえるでしょう。

3.将来設計を見直すきっかけになる

終活で人生の振り返りや生前整理を行うことは、ライフプランを見直すきっかけにもなります。

仕事や家事、育児に日々追われていると自分自身と向き合う時間がなかなか取れず、無意識のうちに目標を見失ってしまうこともありますが、終活を行うことにより、現在の状況や今後の目標が明確になるため、老後に向けた準備を計画的に進められるようになるでしょう。

4.セカンドライフを充実させることができる

理想的な老後を過ごすためには、それを実現できるだけのまとまった資金を用意しておく必要があります。

リタイアしてから貯蓄を増やす方法もありますが、現役時代から終活に取り組んでいれば、働きながらその収入の一部を貯蓄に回すことができるため、無理なく計画的に老後資金を貯めることができるでしょう。

5.万が一のときの備えになる

若いうちから終活を行うことで、万が一の事態に備えることができます。例えば、予期せぬ事故や病気で重篤な状態に陥ってしまった場合、あらかじめ医療や介護に関する希望をエンディングノートに記載しておけば、意思疎通が取れない状態でも自分の意思を家族や友人に伝えることができます。

不用品を処分したり、各種契約を整理したり、「もしも」に備えた行動を日ごろから意識しておけば、自分の身に何か起こったときも、遺された家族の負担を軽減することができるでしょう。

終活の始め方・進め方

終活の進め方は人によってさまざまですが、何から始めるべきか迷っている場合は「エンディングノート」の作成から着手するのがおすすめです。ちなみに、エンディングノートとは、もしものときに備えて、自分に関する情報や死後の希望などをまとめておくノートのこと。基本的に何でも自由に記載できますが、代表的な項目としては次のようなものが挙げられます。

  • ・自分自身に関すること
  • ・資産に関すること
  • ・医療・介護に関すること
  • ・葬儀・お墓に関すること
  • ・相続に関すること

最近ではエンディングノート専用のノートや手帳も出ているため、それをチェックリストとして活用することで、スムーズに終活を進めることができるでしょう。

なお、弊社でもエンディングノートを販売しております。初めての方でも抜け漏れなく書き進められるよう、一般的な終活の順番に沿って項目を設けておりますので、興味のある方はぜひお問い合わせください。

エンディングノートに興味のある方はこちらから
(URL:https://w-e-story.com/syukatsu/ending-note/

また、並行して進めておきたいのが、生前整理や老後の準備です。身の回りを整理したり、老後の資金を貯蓄したり、できることからコツコツ進めておきましょう。

終活を進める際に気を付けたい4つの注意点

最後に、終活を進める際の注意点を4つ紹介します。

  • 1.エンディングノートを遺言書の代わりにしない
  • 2.葬儀形式および供養方法は家族・親族と相談する
  • 3.各種サービスのID・パスワードの管理を徹底する
  • 4.分からないことがあったら専門家に相談する

詳しく見ていきましょう。

1.エンディングノートを遺言書の代わりにしない

 エンディングノートはあくまでも自分の要望であり、そこに法的拘束力があるわけではありません。

例えば、財産分与や相続に関することをエンディングノートに書き残していたとしても、正式な遺言書がなければ法的には認められないため、確実に希望を通していたいことがあれば、必ず遺言書を作成しておきましょう。

2.葬儀形式および供養方法は家族・親族と相談する

葬儀形式や供養方法に対する価値観は人によってさまざまで、必ずしも自分の考え方が周囲の人に認められるとは限りません。

価値観の違いから家族間・親族間へのトラブルに発展する可能性も否めないため、遺される家族の負担を減らすためにも事前に周囲と相談しておきましょう。

3.各種サービスのID・パスワードの管理を徹底する

終活を行うにあたって特に注意しておきたいのが、デジタル資産の管理です。

いざというときに家族がデータを引き継げるよう、ログインに必要なID・パスワードをどこかに保管しておく必要がありますが、これらの情報は外部に漏れてしまうと悪用されてしまう危険性があります。そのため、専用のパスワード管理ツールを活用したり、家族間で独自のルールを設けたり、安全に継承できるような仕組みづくりを行い、悪意のある第三者に見つかることがないよう細心の注意を払いましょう。

4.分からないことがあったら専門家に相談する

終活を進めていると、自分1人では解決できないような疑問がたくさん出てきます。

相続手続きや遺言書の作成など、法律に関する知識が求められる作業も多いため、何か分からないことがあれば、無理して自力で対応しようとせず、専門家にも相談してみてください。

まとめ

終活は、大切な家族のためにも自分自身のためにも行うメリットの大きい活動です。

体力・気力を要する作業も多いため早いに越したことはありませんが、何歳からでも始めることができるので、その必要性を感じたタイミングで取り掛かってみてください。

なお、弊社では、終活および葬儀全般のサポートを行っております。ご家族の介護に関することや相続・遺言書に関すること、お墓に関することなど、さまざまなご相談を承っておりますので、何か気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。

終活に関するご相談はこちらから
(URL:https://w-e-story.com/

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