終活でやることって何?項目別のチェックリストで確認してみよう!

遺される人たちの負担を減らすため、そして今後の人生を自分らしく前向きに生きていくために行う「終活」。いまやメジャーな活動になりつつありますが、「自分もそろそろ始めようかな」と考えている方の中には、具体的に何をすべきかわからないという方もいるのではないでしょうか。
そんな方のために、今回は終活でやることを項目別に詳しく紹介していきます。実際にどのような作業が必要なのか、チェックリスト形式で詳しく確認していきましょう。

終活で考えておくべき3つのこと

具体的な作業内容を確認する前に、まずは終活で考えておくべきことをざっと把握しておきましょう。

1.残りの人生をどう過ごすか

終活を始めるにあたって、まず考えておきたいのが「余生の過ごし方」です。例えば、終の棲家はどこがいいか、身体が不自由になったときはどこで誰に介護してもらいたいかなど、残りの人生をどう過ごすか、どう過ごしたいかを考えてみましょう。

なかには「家族に迷惑をかけたくない」という思いから終活を検討している方もいるかもしれませんが、終活は人のためだけに行うものではありません。今後の人生をより有意義にするための活動でもあるので、これを期に自分自身はどう生きていきたいのか、じっくり考えてみてください。

2.もしもの時にどうするか

次に考えておきたいのが、自分にもしものことが起こったときのことです。

延命治療の有無や臓器提供の可否など、自分が重篤な状態に陥ってしまった場合は、家族が難しい判断を迫られることになります。そのため、本人と意思疎通が取れない状態でも後悔のない選択ができるよう、前もって自分で方針を決めておき、周囲に意思表示をしておきましょう。

3.亡くなった後にどうしてほしいか

最後に忘れてはいけないのが、自分の死後のことです。

葬儀やお墓、相続、遺品整理など、自分が旅立った後は遺された家族が故人に代わってさまざまな手続きを行うことになります。何も準備ができていない状態で亡くなってしまうと、彼らにかかる負担が大きくなってしまうため、生前にできることがあれば、可能な限り終わらせておきましょう。

【項目別】終活やることチェックリスト

では、具体的に何を準備しておけばよいのでしょうか。ここからは、終活でやっておきたいことを以下の7項目に分けて詳しく紹介していきます。

  • ・エンディングノート
  • ・財産
  • ・相続
  • ・生前整理
  • ・医療・介護
  • ・葬儀・お墓
  • ・老後の準備

それぞれチェックリストとともに確認していきましょう。

エンディングノート

<チェックリスト>
  • ・エンディングノートを準備する
  • ・エンディングノートを書く
  • ・エンディングノートの保管場所を家族に共有する

終活を始めるうえで、まず準備しておきたいのが「エンディングノート」です。

これは、人生の最期を迎えるにあたって、家族や大切な人たちへ自身の希望や伝えたいことを記しておくノートのことで、終末期や死後など自分で意思表示ができなくなった際に、医療・介護の方向性や葬儀・お墓に関する要望、資産・財産の状況など、各種手続きに必要な情報やメッセージを遺された人たちへ伝える役割を果たします。

遺言書のように法的な効力はなく、正式な書式も存在しないため、基本的には自分の好きなように書き進めてしまって問題ありません。ただ、近年ではあらかじめ必要な項目が用意された専用のノートや手帳も販売されているため、エンディングノートの作り方・書き方がわからない場合は市販のものを使用してみてはいかがでしょうか。

なお、弊社でもオリジナルのエンディングノートをご用意しております。一般的な終活の流れに沿って構成されたシンプルで使いやすい1冊となっておりますので、興味のある方はぜひお問い合わせください。

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財産

<チェックリスト>
  • ・財産目録を作成する
  • ・不要な口座やクレジットカードを解約する
  • ・通帳や印鑑、重要書類などをまとめる

終活のなかで最も重要といっても過言ではないのが、財産の整理です。財産は本人にしかわからない部分も多く、共有がなされていないと相続などの手続きに多大な労力と時間がかかってしまうため、どこにどんな財産があるのかを遺族がすぐに把握できるよう、必ず財産目録を作成しておきましょう。

なお、このときに大切なのは、預貯金や有価証券、不動産、保険、年金、貴金属といった「プラスの財産」だけでなく、ローンや借金、クレジットカードの未払金といった「マイナスの財産」も書き出しておくことです。後者については書きにくいかもしれませんが、負債も相続の対象となるため、抜け漏れがないよう、すべて明記しておきましょう。

また、お金の終活では、銀行口座の整理や手続きに必要な書類の用意も忘れてはいけません。自分の死後、遺族がやらなければならない作業は多岐にわたるため、スムーズに手続きを終えられるよう、不要な口座やカード類は解約し、重要書類は1か所にまとめるなどして厳重に管理しておきましょう。

相続

<チェックリスト>
  • ・遺言の形式を決める
  • ・遺言書を作成する

先ほども軽く触れましたが、エンディングノートには法的拘束力がありません。

たとえ、エンディングノートに財産分与に関する希望が記載されていたとしても、遺言書の形式を満たしていなければ何の効力も働かないため、身内同士でトラブルになりやすい相続に関しては、法的に有効な遺言書を作成しておいたほうがよいでしょう。

ちなみに、遺言には「公正証書遺言」「自筆証書遺言」「秘密証書遺言」という3種類の形式があります。それぞれに細かいルールが定められており、少しでも要件を満たしていないと無効になってしまうため、作成方法に不安がある場合は専門家に相談しながら作成するようにしましょう。

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生前整理

<チェックリスト>
  • ・不用品を処分する
  • ・公的書類をまとめる
  • ・デジタルデータを整理する

身の回りの整理も終活において重要な作業の1つです。物が多い状態で亡くなってしまうと遺品の整理に時間がかかってしまうため、その手間を軽減するためにも、自宅に不用品がたまっている場合は早めに処分しておき、公的書類(運転免許証、マイナンバーカード、保険証、年金手帳など)など必要不可欠なものは、紛失しないよう大切に保管しておきましょう。

また、パソコンやスマートフォンなどを所有している場合は、そこに保存されているデータの整理も忘れてはいけません。近年では、故人の所有していたデジタル機器やそこにインストールされていた契約サービスにログインできず、なかなか解約作業が進められないというケースも多いため、不要なサービスはあらかじめ解除しておき、各種サービスのログインに必要な情報(URLやID、パスワードなど)は別途控えておくようにしましょう。

医療・介護

<チェックリスト>
  • ・終末期の治療方針を決める
  • ・介護の方向性を決める

事故で身体が不自由になってしまったり、大病を患ってしまったり…と、人生はいつ何が起こるかわかりません。何も決まっていないと、家族など大切な人たちへ苦しい決断をさせることになってしまうため、もしものときのために、余命宣告や延命治療の有無、臓器提供の可否など、医療に関する希望は伝えておきましょう。

また、認知症などにより介護が必要になったときは、どこでだれに介護をお願いしたいのか、あらかじめその方針を決めておくことも大切です。自宅で介護を受けるのか、老人ホームや介護施設へ入居するのかによって、準備すべき内容も異なるため、家族と相談しながら終の棲家をどこにするか考えておきましょう。

葬儀・お墓

<チェックリスト>
  • ・葬儀の様式を決める
  • ・埋葬方法を決める
  • ・遺影を準備する

葬儀の様式(一般葬や家族葬、一日葬など)や参列者の範囲、埋葬方法(永代供養や散骨、樹木葬など)など、葬儀や埋葬について何か希望がある場合はそれもまとめておきましょう。近年では、事前に葬儀の予約ができる「生前予約」を受け付けている葬儀社も多いので、方針が固まっている場合は事前に予約してしまってもよいかもしれません。

また、もし葬儀・埋葬に関する希望がない場合は、その旨もしっかり伝えておきましょう。希望があるにしろ、ないにしろ、故人の望んでいることがわかっていれば、遺族も迷うことなく動き出すことができます。意思表示をしないままに亡くなってしまうと、故人の考えがわからず、遺族を困らせてしまう可能性があるため、生前に必ず自分の考えを伝えておきましょう。

そして、もう1つ忘れてはならないのが、遺影の準備です。必ずしも自分で用意すべきというわけではありませんが、遺影は最期の思い出の品となる大切なものなので、自分らしい写真を1枚を用意してみてはいかがでしょうか。

老後の準備

<チェックリスト>
  • ・老後資金を確保する
  • ・やりたいことリストを作成する

セカンドライフを安心して過ごすためには、十分な老後資金を確保しておくことが重要です。現役時代の貯蓄で賄えれば問題ありませんが、それだけでは心許ないという場合は、食費や通信費などの生活費を見直して支出を抑えたり、自宅を担保に金融機関からの融資を受けられる「リバースモーゲージ」や自宅を売却した後も賃貸物件としてそこに住み続けられる「リースバック」などの仕組みを活用して収入を増やしたり…と、貯蓄を増やせるような対策を講じてみてください。

また、余生を自分らしくいきいきと過ごすためには、生きがいをもつことも大切です。冒頭でもお伝えしたように、終活は今後の人生を前向きに歩むための活動でもあるので、「これからやりたいこと」や「まだ実現できていないこと」などをリストアップして、自分の生きがいを見つけてみてください。

終活をスムーズに進めるための3つのポイント

最後に、終活を効率よく進めるためのポイントを3つ紹介します。

1.優先順位をつけて段階的に進める
2.体力が必要なものから取りかかる
3.終活の内容を家族と共有する

1つずつ確認していきましょう。

1.優先順位をつけて段階的に進める

ここまでお伝えしてきたように、終活でやることは多岐にわたります。無計画に思いついたことから始めてしまうと、途中で作業が滞ってしまったり、最後まで準備を終えられなかったりする恐れがあるため、最初に必要な作業を洗い出したうえで、優先順位をつけて計画的に進めるようにしましょう。

2.体力が必要なものから取りかかる

終活の中には、体力を要する作業が多く存在します。取り掛かる順番にこれといった決まりはありませんが、不用品の整理や介護施設・墓地の見学など、高齢になってからでは負担の大きい作業は、元気なうちに進めておいたほうがよいかもしれません。

3.終活の内容を家族と共有する

終活において何よりも重要なのは、その内容を家族に共有することです。

葬儀やお墓、相続などに関する話題を自分から切り出すのには少し勇気がいるかもしれませんが、どれほど入念に準備を行っていたとしても、家族がその事実を知らなければ意味がありません。お互いに状況を把握しておけば、遺された側もいざというときに動きやすくなるため、まずは親子で終活について話し合う時間を設けてみてはいかがでしょうか。

まとめ

終活はやるべきことが多いため、最初は何から手をつければいいか悩んでしまうかもしれません。そんなときはまず、エンディングノートの作成から始めてみてください。製品によって多少の違いはありますが、市販のエンディングノートには終活でやるべき内容がわかりやすくまとまっているため、それをマニュアルとして活用することで、比較的スムーズに進めることができるでしょう。

そして、終活を進めるなかで不明点や悩みが出てきたら、1人だけですべてを解決しようとせず、家族や友人、専門家などにも相談してみてください。終活は専門的な知識を要する作業も多く、1人で完璧に終わらせようとすると行き詰ってしまう可能性があるため、無理せず周囲にも協力を仰いでみてくださいね。

なお、弊社では終活全般のご相談を受け付けております。介護のこと、相続・遺言書のこと、お墓のことなど、どんなに些細なことでも構いませんので、何か気になることがあれば、お気軽にお問い合わせください。

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